信子母さんのエッセイ第16回 「そう来たか」

結婚した娘たちが話してくれる子どもとのやりとりには、
クスッと笑えるものがよくあります。
最近聞いた 次女と花ちゃんとの会話も、その一つです。

花ちゃんが怒って弟のすいくんを押したので、次女がすぐに注意しました。
「すぐに押したらダメって、もう何度も言ってるでしょ!
嫌なことがあったらお母さんに先に言いなさいって!」

お母さんに言われたことが なかなか守れない花ちゃんは、
ふくれっ面で聞いています。
そんな姿に次女の堪忍袋の尾が切れそうになったその瞬間、
花ちゃんがこう言い放ったのだとか。

「(わたしは)まだ わかんないのっ!」

そう来たか。(๑˃̵ᴗ˂̵)💧
次女の話を聞いていたわたしは おかしくなりました。

「まだ、わかんないのっ!」

開き直りとも言えるその言葉の後に、
花ちゃんはこう続けたかったのかもしれません。
「だってわたしはまだ2歳なんだからねっ!」と。

親は、時々、子どもへの要求を大きくしすぎてしまうような気がします。
まだ小さな子どもに、まるで熟年の大人のような人格を求めてしまうのです。
新米お母さんだったわたしがそうでした。

お友達と仲良くね。何でも貸してあげるのよ。
使ったものは元に戻して。
お話は最後までちゃんと聞いて。
嘘はダメ。悪口はダメ。
ご挨拶を忘れないでね。
ここでは元気に、ここでは静かに。

… そんな立派な大人の振る舞いを、
当時幼稚園児だった長男に要求している自分にハッとして、
その時わたしは自分にこう言い聞かせました。

ねえ、この子は、地上にやって来てまだ わずか数年しか経ってないんだよ。
最初から何でもできるわけないじゃない。
最初から高い人格があるわけないじゃない。
それを学ぶために生まれて来たんでしょ?
それを教えるために、わたしがいるんでしょ?
いっぺんには出来ないよ。出来るわけないよ。
時間がかかるよ。当たり前だよ。
だから人生は何十年もあるんでしょ。
何十年もかけて学んでいくんだよ。
教えるのは大切だけど、結果を急いじゃダメ。
要求しすぎちゃダメ。
だって考えて!この子の人生は始まったばかり。
地上にやって来てまだ たった数年の子に、
50年生きて来た人みたいな人格を、今求めちゃダメだよ! … と。

次女も今、以前のわたしと同じような経験をし、
以前のわたしと同じように反省したようです。

次女は自分の心に言い聞かせました。
”そうだよね、花ちゃんが立派な大人になれるよう、
お母さんは、忍耐強く教えていかなくちゃいけないんだよね”

すると花ちゃんは、そんな次女の心を見透かしたかのように 澄ました顔で言い放ったそうです。

「はやく おとなになりたいなあ!」

そう来たか。(๑˃̵ᴗ˂̵)💧 笑

2歳児。恐るべし。

 

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コメント

    • 菅原 美千代
    • 2017年 9月 14日

    花ちゃんすごいですね。

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