ロス長老インタビュー① 自立の精神を養ったホームスクーリング

今回の宣教師インタビューはアメリカのワシトン州シアトル市から来た、ジャック・W・ロス長老です。

日本の近畿・四国地方でキリストの教えを伝え、人の役に立つ活動に携わってきた、現在20歳の青年です。

シアトル市の対岸、ビュージェット湾に浮かぶ島であるベインブリッジアイランドで四人兄弟の長男として育ったロス長老は、日本では馴染みのない生い立ちを持っています。それは一体どんなものでしょう。

そして、どんな気持ちで日本で宣教師として活動をすることにしたのか、探ってきました。

 

➖➖ロス長老は日本では馴染みのない育ち方をされたと聞いていますが、それはどんなものなのか教えてください。

 

そうですね、私はホームスクーリング(自宅で義務教育を受ける)の家庭で育ちました。普通の学校に通学せず、代わりに母から、自宅で、兄弟たちと一緒に教育を受けました。家で教育を受けることをホームスクーリングと呼びます。

 

➖➖ロス長老は学校に通わず幼稚園から高校まで自宅で義務教育2を受けたのですね。すごいですね、全く学校に行ったことがないのですか。

 

いいえ、いくつかの学校・社会活動、教会の集まりには参加しましたよ。初めて学校に行ったのは中学の時で、数学、音楽、日本語のクラスをとるためでした。そして高校の時は、インターネットでいくつかのクラスをとりました。ですが、学校に年間を通して通学した経験はないです。

 

 

➖➖ホームスクーリングはロス長老にとって良い経験でしたか。具体的にどんなところが良かったのか、もしあるなら聞かせてください。

 

家で勉強をするので、常にリラックスした環境で学習ができたことが良かったです。わたしの場合は、母が教師代わりになってくれたのでラクでした。母は逆に大変でしたが(笑)。4人兄弟で、それぞれ3歳の歳の差があるので、同時に全員教えるのは大変そうでした。当時15歳、12歳、9歳、6歳の母親としてだけではなく、教師としても一日付き合うことを想像してみてください。かなりの労働です。

 

そんな母はたくさんの教材を調べて、一番良いと思った教科書や本を選んで使って くれました。そして、1日の勤めを果たし終わった夜には、今度はわたしたちに教えることをまず自分で予習をして、準備して、次の日にそれを教えてくれました。これを毎日繰り返していました。高校生になった時は、母ももちろん教えてくれますが、それと同時にわたしも自分で勉強のスケジュールを立てて、自分で宿題をする時間やテストを受ける時間を管理していました。普通の学校とは違って、自ら責任を持ってやらなくては、何も進まないまま時が経ってしまいます。ですので、やらなかったらその分だけ溜まって、後からこなさなくてはなりません。一年生の時は、それが上手くできずにいっぱい溜め込んで、大変な目に遭いました。でも、失敗して、責任を持って「やるべきことをきちんとやる」ということを学ぶ良い機会でした。

 

➖➖ご両親がホームスクーリングを選んだ理由はなんですか。

 

私が初めて幼稚園に通う歳になった時のことです。どうしてかは分からないですが、母は、私が学校へ通ってもつまらないと感じるだろうと思ったらしいのです。わたしはそう思いませんでしたが(笑)、母はそう思っていました。そして、何よりも母が心配していたのは、学校の評判が悪かったことでした。周りの保護者から近所の学校があまり良い学校ではないことや良い先生が少なく、生徒の評判も悪いという話しを聞いていたので、母は悪い影響をとても心配していました。母自身でも色々調べて、いろんな選択肢を検討した末に、祈り、自分が家で教えるべきだと強く感じたそうです。それ以来、ずっと家庭で教育をしてきてくれました。家庭で教えるにはたくさんの時間と犠牲もあり、彼女は少しずつやり方を学び、工夫をしてくれました。ホームスクーリングを通して、わたしたち家族全員が一緒に成長する機会を得ることができたのではないかな、と感じています。それに、健全な環境を求め、努力を惜しまず教えてくれた母をとても尊敬しています。学校に通ったことが実際にないので完全に比べることはできませんが、良い友達を作る機会もたくさん与えられたし、なんといっても大切だと思う家庭を中心にして生活ができたことに感謝しています。

 

※1 ホームスクーリング:
ホームスクーリングが盛んな米国などでは、家庭を拠点としながら大部分の時間を戸外の教育機関で過ごすケースがあるため、在宅教育(ホームスクーリング)とともに、自宅ベース教育(home-based education ホーム・ベイスド・エデュケーション)と言う表現も使われる。現在、日本の文部科学省学校教育法の規定により「義務教育を家庭で行うことを認めていない」としており、従って、日本国内でこれを行う保護者は学校教育法に抵触する事になる。(ウィキベディアより)
 ※2 アメリカの義務教育は就学年齢・高校卒業資格などが州によって異なり、また各学区の権限が非常に大きく、学区によって始業日・終業日・休校日・年間授業時間、中学校や高等学校の進級学年の区切り、カリキュラムの内容、飛び級などの方針が異なるが、幼稚園の年長組に当たる年から12年生(小学校1年から12年まで、中学・高校になっても1年から数えなおさず順に数える)までの13年間を指す。通常は初等・中等教育を称してK-12(幼稚園から12年生まで)と呼ぶ。(ウィキペディアより)

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