アレックス・ボイエの初来日コンサート

YouTube4億回再生のアフリカンポップミュージシャン

2018年2月5日(月),アレックス・ボイエの初来日公演が東京・吉祥寺の末日聖徒イエス・キリスト教会武蔵野ステークセンターで行われた。

アレックス・ボイエはアフリカ系ポップミュージックアーティストである。自身の音楽をインターネットで発信,動画配信SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)のYouTube (ユーチューブ)における動画再生回数が通算4億回を記録している。最近のヒット動画である「アナと雪の女王」のテーマ:Let it go アフリカンバージョンは1億回以上視聴された。

ナイジェリアにルーツを持つアレックスはイギリスに生まれ,ロンドンで育った。11歳のとき母親が,アレックスを置いてナイジェリアへ帰国したため,里親のもとを転々とし,最後にはストリートチルドレン(路上で生活する子供たち)となった。そうした過酷な環境のもとで神に助けを祈り求め,16歳のとき,末日聖徒イエス・キリスト教会に改宗する。「歌は本能のようなもので,歌わずにはいられませんでした」とアレックスは語る。コンテストで優勝して小さなレコード会社と契約,音楽活動を続けるうちに認められ,メジャーレーベルと契約した。現在は米国ユタ州に在住。かつて8年間,世界最大規模とうたわれるモルモン・タバナクル合唱団(360人編成)の一員として歌った。昨年7月には,古巣の同合唱団とソロで共演した。

あるときアレックスは,彼の歌を聴いて力づけられ,自殺を思いとどまったという電話を受けた。クリスチャンのミュージシャンとしてアレックスは,自身の音楽活動の目的をこう語る。「音楽は魂を癒すと信じています。わたしは音楽によって,人々に,キリストを身近に感じさせる一助となりたいのです。」

700人と一つになって

このコンサートの入場は無料だが,来日公演公式ウェブサイト(http://mormon.jp/alex-boye) を通じて来場予約を受け付ける仕組みとなっていた。これは公演前日,700人に達した時点で締め切られる。コンサート当日,開場の1時間前には会場前に列ができ始めた。アレックスの来日が急遽決まったこともあり,告知期間がわずか11日しかなかったにもかかわらず,開演の午後7時には740人あまりの入場者が詰めかけた。

このコンサートは,「ファミリー・ホーム・イブニング・ナイト with アレックス・ボイエ」と銘打たれた。これは,末日聖徒イエス・キリスト教会が推奨する「家庭の夕べ」,毎週月曜日の夜に家族が集まって絆を強め,ともに楽しく過ごすという習慣に由来する。そのため,幼児の入場も制限されないアットホームなコンサートとなった。

教会の習わしに従った賛美歌と祈り,歓迎の挨拶の後,日本の音楽/ダンスユニット bless4の演奏で幕を開ける。

その後,アレックス・ボイエが登場し,語りかけた。「わたしは4つの違った場所から来ました。ナイジェリア,イギリス,ユタ州,そして神様からです。4つめが一番大切です。わたしたち皆がそうです。」この日,アレックスの体調は万全ではなかったが,時に民族楽器を叩きながら情熱的に歌い踊る。

合間にはクラリネットアーティスト Micinaが,色鮮やかな映像を背景に流麗な演奏を披露した。

やがて舞台に戻ったアレックスは,地元の青少年アシュリー・キリアンの歌,またMicinaのクラリネット演奏とともに,「Let it go アフリカンバージョン」を披露する。この日の出演者はすべて,末日聖徒イエス・キリスト教会の会員であった。

終盤,アレックスは通訳を交えて自らの経験を語った。

「音楽はわたしにとってとても大切なものです。でもそれよりも大切なのはわたしの信仰です。わたしを愛してくださる神がおられるという知識です。
……16歳のとき,わたしはホームレスでした。空腹でお金がなく,怒りと悲しみ,惨めさを感じていました。いつも神様に対して怒っていました。何度も助けを叫び求めました。けれど答えを感じられませんでした。
ある晩,聖典(教義と聖約122章)を読んでいました。預言者が監獄に囚われて神に叫び求めたとき,こう告げられたと書いてあります。『これらのことはすべて,あなたに経験を与え,あなたの益となるであろう。』
─ 益? わたしにとっての益とはおいしい食べ物です。高級車です。この言葉は理解し難いものでした。……
キリストはすべてのものの下に身を落とされたと聖書に書かれています。天の御父はそれをよし(good = 益)とされました。わたしたちの最大の勝利は最大の苦難から来るとわたしは知っています。ですから皆さん,ここに大変な経験をしている方がおられたら,それは神の計画であると知ってください。それは皆さんに経験を与え,今は理解できなくても,わたしたちの益になるのです。」

閉会の賛美歌は,アレックス自身が歌う「How Great Thou Art」(賛美歌44番:わが主よ,わが神)であり,最後は会場全体と合唱して締めくくった。



彼を支えたキリスト教の価値観についてさらに知りたい方はこちらから
 
 

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コメント

    • 吉野 亜都子
    • 2018年 2月 08日

    アレックス・ボイエの歌を初めて聴きました。実は夫が急に入院になり連日雪の中で病院へ行き来して気持ちも体も疲れ始めてました。夫婦二人で家庭の夕べはできないですが、月曜日、心癒す何かをしたいと思ったいたとき、友達がアレックスのコンサートがライブ配信され見られることを教えてくれました。彼の歌や証、心に響きました。クラリネット演奏や演出も楽しみました。ラインを使って抽選なんて今どきだなと思いながら楽しみました。ありがとうございます。

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