福音の回復

その光がわたしの上にとどまったとき,わたしは筆紙に尽くし難い輝きと栄光を持つ二人の御方がわたしの上の空中に立っておられるのを見た。すると,そのうちの御一方がわたしに語りかけ,わたしの名を呼び,別の御方を指して,『これはわたしの愛する子である。彼に聞きなさい』と言われた。」

ジョセフ・スミス――歴史1:17

1820年,天の御父はこれまでの歴史でなさってきたように,地上に福音と神権を回復するため,再び預言者を選ばれました。御父は,ジョセフ・スミスという少年を召されました。ジョセフを通してイエス・キリストの完全な福音が地上に回復されたのです。

ジョセフ・スミスは合衆国に住んでいました。当時,宗教の自由を享受していたのは恐らくこの国のみであったでしょう。そのころ,合衆国東部で宗教に関する大きな騒ぎがありました。ジョセフ・スミスの家族は信仰心に篤く,常に真理を求めていました。聖書}は「主は一つ,信仰は一つ,バプテスマは一つ」(エペソ4:5)と教えていましたが,真の福音を持っていると主張する聖職者はたくさんいました。ジョセフは様々な教会に行ってみましたが,どの教会に加入するべきか分からずに混乱し,「すべての教派のうちのどれが正しいかを知〔りたい〕」と願いました(ジョセフ・スミス――歴史1:18)。ジョセフは後にこのように記しています。

「様々な教派間の混乱と争いが非常に激しかったので,わたしのように若……い者にとって,だれが正しく,だれが間違っているか,確かな結論を出すことは不可能であった。……この言葉の争いと見解の騒動の渦のただ中にあって,わたしはしばしば心に問うた。『何をしなければならないのだろうか。これらすべての教派のうちのどれが正しいのだろうか。それとも,ことごとく間違っているのだろうか。もし彼らのうちのどれかが正しいとすれば,それはどれで,どうすればそれが分かるのだろうか。』」(ジョセフ・スミス――歴史1:8,10)

様々な教派の間で真理を探し求めながら,ジョセフは導きを得ようと聖書を開き,次の聖句と出会います。「あなたがたのうち,知恵に不足している者があれば,その人は,とがめもせずに惜しみなくすべての人に与える神に,願い求めるがよい。そうすれば,与えられるであろう。」(ヤコブ1:5)この聖句を読んだジョセフは,どうするべきかを神に尋ねることを決意します。1820年の春,ジョセフは近くの森に行き,ひざまずいて祈りました。そのときの経験についてジョセフはこう書いています。「わたしは自分の真上に,太陽の輝きにも勝って輝いている光の柱を見た。そして,その光の柱は次第に降りて来て,光はついにわたしに降り注いだ。……そして,その光がわたしの上にとどまったとき,わたしは筆紙に尽くし難い輝きと栄光を持つ二人の御方がわたしの上の空中に立っておられるのを見た。すると,そのうちの御一方がわたしに語りかけ,わたしの名を呼び,別の御方を指して,『これはわたしの愛する子である。彼に聞きなさい』と言われた。」(ジョセフ・スミス――歴史1:16-17)示現の中で,父なる神と御子イエス・キリストがジョセフ・スミスに御姿を現されたのです。救い主はジョセフに「すべて間違っている」ため,どの教会にも加わらないようにと言われました。救い主はこう言われました。「彼らは唇をもってわたしに近づくが,その心はわたしから遠く離れている。彼らは人の戒めを教義として教え,神を敬うさまをするけれども神の力を否定している。」(ジョセフ・スミス――歴史1:19)

多くの善良な人々がキリストを信じ,イエスの福音を理解し教えようとしましたが,その時代の人々には完全な真理がありませんでした。また,バプテスマなどの救いに関わる儀式を行うための神権の権能もありませんでした。バプテスマをはじめとする教義や儀式が変えられたうえ,人々は前の世代から大きな影響を受けたため,背教は世代から世代へと続いていきました。

ジョセフ・スミスの最初の示現は,地上におけるイエス・キリストの教会の回復の始まりでした。その後,キリストは御自身の神権を回復し,教会を再び組織されました。以来,主は引き続き預言者に真理を明らかにし,ある期間にわたって地上から取り去られていた祝福の回復を続けておられます。

使徒ペテロはキリストの再臨の前の「万物更新の時」について預言しました(使徒3:19-21)。地上にキリストの教会が回復されたことで,すべての人が再びイエス・キリストの福音のもたらすあらゆる祝福を享受できるようになったのです。