信子母さんのエッセイ第89回「それがどうした」

第89回「それがどうした」

心の中で時々ふっと湧いてくる言葉があります。
“それがどうした”という言葉です。

もう10数年前になりますが、わたしは20キロ近くのダイエットに成功して、ちょっと綺麗になりました。(あ、今は少しリバウンドしてますけど。笑)
自分では大満足だったのですが、当時 夫が、こんな文章を残しています。

『妻は最近ダイエットに成功しました。
でも私は、太っていた妻が嫌だったことはありません。
以前、一緒にお風呂に入った時のことです。10回の出産を繰り返した妻の体型は、他人が見れば醜いものかもしれませんが、私は愛しいと思いました。
妻は「胸が垂れた」「脂肪のかたまりだ」「体型が崩れた」と嘆きますが、私は、それがどうした、と思います。』

“それがどうした” という言葉を見たとき、泣きそうになりました。

その言葉はわたしの心に強く響き、心の奥にしっかりと とどまりました。

素晴らしいご主人ですね!
素晴らしいお子さんたちですね!
と言っていただくことがあります。
ありがたいことです。

わたし自身、素晴らしい夫だ、子どもたちだ、と思っていますが、彼らは決して完璧な夫でも子どもでもありません。
夫や子どもの欠点を目にすれば、腹も立つし失望もするし、悲しくもなります。
でも、そんな時、心の奥から湧いてくるのです。
“それがどうした!" と。

欠点に目をつぶり、なかったことにしようとしているのではありません。欠点も弱点も承知したうえで、”それがどうした!” と思えば、違った面が見えてきます。

たとえ人の目には醜く見えていても “それがどうした!” と わたしを丸ごと受け入れ愛してくれた夫のように、わたしも”それがどうした!” と夫や子どもたちを受け入れ愛することのできる妻であり母でありたい。
心からそう願っています。

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