信子母さんのエッセイ第70回「weakness(弱点)」

第70回「weakness(弱点)」

わたしの弱点と言えば、真っ先にあがるのが、凄まじい方向音痴だということ。
本当に自分でもうんざりするくらい道が覚えられないし、方向感覚が はちゃめちゃなのです。

その弱点を、可愛いと言ってくれたのは、若い日の夫でした。

わたしが運転しながら「あれ?」とか「あちゃちゃ!」とか「うひゃあ!」とか言いながら道を間違えるのが、助手席で見ていて可愛いと言うのです。
こっちはウケ狙いでもなく、本気で道を間違えているので、「はあ?本気で言ってるの?!」と、半ば腹を立てて尋ねると、「本気だよ」と夫は笑顔で答えます。
「もう!わけわかんない!」というわたしに、夫は助けの手を差し伸べ、運転を代わってくれます。
迷うことなく運転する夫を惚れ惚れと見ているうちに、目的地に到着!
「やっぱり英治さんはすごいなあ!」

そんな日々が長く続きました。

わたしの弱点は、夫の目から見るとわたしの長所でもありました。
それはわたしを可愛く見せ、夫の出番を作るものでもあったからです。
わたしの弱点は夫に補われ、2人いることで、わたしは強くなれました。

ところが!
ここに、夫のライバルが出現!!

カーナビです。

この文明の利器は、わたしの世界をすっかり変えました。
ナビに従いさえすれば、道を間違うことは無いのです。
なんて素晴らしい!
なんて画期的!
カーナビを発明してくれた人に感謝!感謝!

助手席に夫がいてくれないとダメだったわたしが、もう夫の助けを必要としなくなったのです。

それはとってもいいことなのだけれど…

カーナビはわたしから、可愛さを奪ったような気がします。

夫と出かけている時、「こっちじゃない?」と言う夫に「違うよ!」とわたしは逆らいます。ナビがそう教えているからです。
わたしはナビに従いながら、嬉々として運転し、夫は助手席で寝ています。

これって…
どうなの?…

わたしはカーナビを消して、夫の運転に任せることにしました。
そして、心から言うのです。
「やっぱり英治さんはすごいなあ!」

弱点は、人を謙虚にさせる大切なものでもあります。
弱点のあるもの同士の結婚生活です。
方向音痴に限らず、自分の弱点を認め、相手の弱点を認め、互いに補い合い、支え合うのが夫婦かな…?

一人で運転するとき、わたしはカーナビに頼ります。
でも、夫と一緒の時、わたしのナビは夫です。

夫だって、まあ、たまに間違ったりもしますが、いいのです!
わたしの弱点を可愛いと言ってくれる夫にどこまでも従っていこう…と、わたしはそう思っています。💕

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