信子母さんのエッセイ第63回「pioneer(先駆者)」

第63回「pioneer(先駆者)」

わたしの弟はパイオニアだったな、と、この頃 改めて思います。

“不登校” に市民権などなかった50年近く前のこと。

“学校は絶対”で、学校に行かないなんて選択は許されない時代でした。
そんな中で、不登校になり、退学し、引きこもりになったのですから、まさに弟は引きこもりのパイオニアです。(^ν^)

発達障害などという言葉もなく、認識もなく、理解もなく、弟にとって生きにくく暮らしにくい世の中だったろうなあ… と思います。
みんなと同じことを要求されても、こたえられないことがあるのよね。
そりゃ、シャイで、人とコミュニケーションを取るのはひどく苦手だったけれど弟の才能はすごかった!
音楽も美術も裁縫も機械も、興味のあることは何でも自分で勉強して、すごい数の本を読んで、驚くほど吸収してた。世の中でそれを使うことは 全くなかったけどね。
優しくて、思いやりがあって、わたしはそんな弟が大好きだったし頼りにしてたし尊敬してたんだ…

本当に沢山の事を考えたっけ。
学校は絶対に行かないといけないところなの?
学校ってそんなに大切?
好きな事をやっちゃダメなの?
弟への先生たちの評価も親の評価も周りの評価も低すぎる!!ってね。

弟は引きこもりのパイオニアとしてそれから20年以上務めを果たし(笑)、その後病気で亡くなったけれど、どれだけ多くのことをわたしに教えてくれたことか。

甘ったれとか、寄生とか、ニートとか、そんなくくりじゃない人だっているんだよね。

雄ちゃん、パイオニアは大変だったね。
今は、いろんな学校があるしいろんなクラスがある。いろんな選択肢もあって、周りの理解も深まってる。才能を生かし、個性を伸ばす 社会の受け皿も増えてる。
今の時代に生きてたらもっともっと楽だったろうにね。

パイオニアは道を切り拓く人。

雄ちゃんが切り拓いた道のおかげで、偏見とか差別とかが、わたしの中から少しは取り去られたのかもしれないな、と思うよ。

ありがとね!雄ちゃん。

 

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