信子母さんのエッセイ第58回「kiss(キス)」

第58回「kiss(キス)」

遊びに来ていた長女の麗花と 孫のたっくんと出かけたときのことです。
後部座席に座っているたっくんに、「ねえ、たっくん。たっくんが、一番綺麗だなあ、と思う人って、誰?」と尋ねてみると、たっくんは、「おかあさん!」と即答しました。
そこで、「じゃあ、たっくんが、一番可愛いなあ、と思う人は誰?」と尋ねると、これまた「おかあさん!」と即答です。
そして、お母さんに抱きつき、顔中にキスをしています。

ルームミラーでその様子を見ながら、末っ子の不動が、今のたっくんと同じ4歳だった頃のことを思い出しました。

「おかあさん!あいしてる!」を、毎日連呼してはキスする不動に、ある日尋ねてみたのです。
「ふうちゃん、愛してる、って、どういうことかわかるの?」と。
すると不動は、当たり前だよ!という顔をして言いました。
「わかるよ! だ~いすき!っていうきもちだよ!」

わたしは驚きました。
ただの”好き” じゃなくて、”だ~いすき!” という気持ちが “愛してる” なんだと、不動は考えているのです。

そこでわたしはまた尋ねてみました。
「じゃ、好きってどういう気持ちかわかる?」

すると不動は、少し考えてから答えました。
「キスしたいきもちだよ!」

そうして、たっくんと同じように、チュッ、チュッ、チュッ、チュッ、と、わたしの顔中にキスをしたのです。

まだ4歳だけれど、不動は不動なりに、心の中にある”好き” という感情を理解し、表現してるんだなあ、と驚いた瞬間でした。
….

麗花ちゃん。
たっくんも きっとわかってる!
わかってキスしているんだよ!

心の中に溢れてやまない あなたへの愛を、そうやって精一杯 伝えているんだよ。

だから、
ツバだらけになっても、がまん、がまん!! 笑

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