信子母さんのエッセイ第19回「土の中のミミズ」

三男息吹は26歳。最近第一子が生まれ、父親になったばかりです。

その彼が高校生だった頃に 末の弟不動が口にした言葉を、
彼は今でも覚えていると言います。
当時幼稚園児だった七男不動は、兄の息吹にこう言ったのだそうです。
「ぼくは、いるだけで ひとのやくにたつ ミミズになりたい」と。

それを聞いて、わたしは驚きました。
土の中のミミズの話は、以前教会で小さい子どものクラスを受け持っていたわたしが、
当時の子どもたちに教えたものです。
そのクラスの中に不動もいました。

ホワイトボードに、色画用紙で作った花や太陽の絵を貼りながら、
こんな話をしたと記憶しています。

 

*****

 

「太陽は、空でまぶしく輝いて、お花が大きくなるのを助けます。
雲は、雨を降らせて、お花が大きくなるのを助けます。
ミミズは、土の中で動き回って、お花が大きくなるのを助けます。
みんな お花が大きくなるお手伝いをしています」

「ミミズも?」

「そう! 土の中で動き回って、土を柔らかくして、
お花の役に立ってるの。
みんな誰かの役に立ってるんだよ」

 

*****

 

あれから10年の時を経て知った当時の幼い息子の言葉。
「ぼくは、いるだけで ひとのやくにたつ ミミズになりたい」
そうか、ふうちゃんは、そんなふうに思ってくれてたんだね…。

子どもたちはわたしたちが思っている以上の感受性と理解力を
持っているということを改めて実感しました。

さらに、そんな弟の言葉をずっと心に留めている息吹を通して、
さりげない一言が、時には人に勇気や導きを与えていることに、
改めて気づくことができました。

見えないところでしていることでも、
自分では意識していないことでも、
一人一人の行いや言葉が、こんなふうに影響を及ぼしあい…
そうやってわたしたちは生きてるんだ…

 

みんな誰かの役に立っています。土の中のミミズのように。

 

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コメント

    • 菅原 美千代
    • 2017年 9月 17日

    僕はいるだけで役に立つ ミミズになりたい。良い言葉ですね。

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