信子母さんのエッセイ第18回 「小さいお母さん」

NHKの連続テレビ小説「おしん」が放送されていたのは、
もう30数年も前のこと。おしんという小さい女の子の健気な頑張りが涙を誘う、
大人気の朝ドラでした。

わが家の次女愛実(まなみ)は、小学生の頃、近所のおばあちゃんから
「平成のおしん」と言われたことがあります。

その日、愛実が弟をおんぶして、近所の公園へ向かっていたときのことでした。
近くに住んでいたおばあちゃんが目を丸くしてこう言ったのです。

「ばあ、どうか!まなみちゃんは、ほんなこつ良か子ねえ!
(まあ、どうでしょう!まなみちゃんは本当にいい子ねえ!)

いまどき、弟ば かろて子守する子なんかおりゃせんよ
(今時、弟をおぶって子守する子なんていないよ)

そら だっでん、自分が遊ぼごたるもん
(そりゃあ誰でも自分が遊びたいもの)

偉か、偉か!ほんなこて感心!
(偉い、偉い!本当に感心!)

まなみちゃんは平成のおしんたい!
(まなみちゃんは平成のおしんだよ!)」

それは 相当な褒め言葉だったのですが、
愛実は なんのことやらさっぱりわからなかったようです。

わたしは苦笑してしまいました。

小学生だった愛実に、弟を背負って子守をするよう命じたわけでは、
もちろんありません。
それは、彼女の希望でした。

「ねえ、お母さん!おんぶさせて!」と、
ままごとでお人形をおんぶするように、
弟をおんぶするのが愛実はとても好きだったのです。

愛実だけではなく姉の麗花(れいか)も、
こちらから頼まなくても、弟や妹たちと
いつも楽しそうに遊んでくれました。

親のわたしが驚くほど、
弟や妹たちに忍耐強く優しく接する 愛情溢れた二人の姿は、
本当に 小さいお母さんそのものでした。

 

その小さいお母さんだった二人が結婚して、
今や、本物のお母さんになっています。

感慨深いです。

日々子育てに奮闘している娘たちを見ていると、
小さいお母さんだった頃の二人を思い出します。

あなたたちの子育ては、こんな昔から始まっていたのかもしれないね。

だからきっと大丈夫!

大丈夫だよ!

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