信子母さんのエッセイ第122回「流星群の思い出」

第122回「流星群の思い出」

夜空を見上げるのが好きです。

先日のペルセウス座流星群は残念ながら見ることができませんでしたが、これまでにいくつかの流星群を見ることができました。

その中で、わたしの断トツ1位の流星群は、19年前の獅子座流星群です。その日のことを書きたいと思います。

2001年11月19日。

その月に産まれたばかりの末っ子の授乳を終えて時計を見上げると、2時25分。一番良く見えると言われていた時間帯でした。

わたしはパジャマの上に上着を羽織って、急いで外に出てみました。

うわっ!!

夜空には流れ星が、スーッとひとつ。またひとつ。またひとつ。またひとつ。

わたしは子どもたちを起こしに戻りました。

「起きて!見えるよ!すごいよ!」

眠い目を擦りながら起きてきた子どもたちも、その光景に目を見張りました。

「わあっ!」

「すごいね!」

「すごいね!」

「すごいね!」

“すごい” という言葉以外何も出てきません。

「いま、ジューッて言ったみたい!」

「ほんとね!!」

本当に、まるで星の燃える音が聞こえてくるように、大きな星が尾を引いて流れていくのです。

「すごいね」

「すごいね」

「あっ!願いごと言わなくちゃ!」

当時4年生だった息吹が言いました。

「そうね、流れ星なんて滅多に見れないんだから、今日はチャンスよね!」

「願いごとを3回言うんだっけ?」

「そうよ」

「よし!⚪︎×△○△□▷×⚪︎□△▷…   だめだ!間に合わない!」

「もっと短くして言ってみたら?」

「うん!○△⚪︎□△▷×⚪︎….   間に合わない!3回なんて、ぜーったい言えないよぉ💦」

「そうねぇ、願いごとはそう簡単には叶わないってことかなぁ?」

そんな息吹とわたしの会話を聞いていた中3の長女が口を挟みました。

「文章じゃなくて、単語ひとつとか漢字ひとつとかで言えばいいんじゃないの?」

「そうか!」

6年生の次女がすかさず言いました。

「金、金、金!(かねかねかね!)」よーし、言えたーっ!」

長女もすぐに続きました。

「玉の輿、玉の輿、玉の輿!よっしゃあ!」

さっきまでの荘厳な雰囲気はどこへやら、真夜中の庭に笑い声が響きます。

すると、しばらく考えていた息吹が口を開きました。

「ぼくの1番の願いごと…  1番の願いごとはねぇ…     愛、愛、愛!!!」

その瞬間、なんとも言えない温かい気持ちで胸が熱くなったことを、今でも覚えています。

わたしは夫も起こしてきて、並んで夜空を見上げました。

スーーーーーーッ。

真っ暗な空に特別大きな流れ星が、金色の線を残して流れていきました。

「愛、愛、愛!」

……………

次に流星群を見れるのはいつだろう?

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