対談 Orangestar × M.B 通算1,500万回再生の音楽動画クリエイターがヒットの裏側を語る⑤

動画再生回数1,500万回以上「未完成エイトビーツ」のボカロP:Orangestarと,タッグを組んでヒットを放つイラストレーターM.Bが, 今だから語る制作秘話

Orangestar: 19歳。音楽プロデューサー(ボカロP)。

両親ともクリスチャンの家庭に育つ。自身も幼い頃から家族とともに教会に通う。

高校時代をアメリカのユタ州で過ごす。そこですでに趣味として創作していたボカロ曲に熱中し次々に作品を作る。

イラストレーターのM.Bと出会い、コラボレーション作品がニコニコ動画を中心に人気を集める。

2015年にメジャーデビューを果たし,ファーストアルバムは現在までに1万7,000枚を売り上げるロングセラーとなっている。

M.B作「癒しの水」

M.B:20代のイラストレーター。両親がクリスチャンの家庭に生まれ、自身も教会に通って育つ。

イラストレーターとして独学し,作品の持ち込みから、ゲーム系のイラストレーターとして出発。兄を通してOrangestarと出逢い、同じ教会の会員で、クリエイターであることを知る。そこで意気投合し、Orangestarの書く楽曲にイラストを付けるという共同制作を開始する。


Session 5 1stアルバム『未完成エイトビーツ』

2015年4月に1stアルバム『未完成エイトビーツ』を発売,その直後に『空奏列車』をニコニコ動画に投稿し,『アスノヨゾラ』から2回目の週間ランキング1位を獲得。『空奏列車』の再生回数は99万回。Orangestarのフォロワー数が1万を超え,M.Bも5000人に。

 

「空奏列車」2015年2月

M.B:(空奏列車は)苦戦したね。あれは俺のイラストでも最も難しい部類に入るかな。

Orangestar:僕の中では最初から青のイメージがあったんですけど、それがなかなか伝えられなくて。

M.B:俺はゲーム系案件で色使いがカラフルなのばかり描いていたから,一つの色味で統一するっていうのが非常に慣れてなくて。

Orangestar:もうちょっと全体的に青なんですよね、っていうのがなかなか(伝わらなくて),電車の配置とか。でも最終的にサムネから何から、狙い通りのいい感じ。あれはアルバム発表にふさわしい盛り上がりでしたね。

M.B:17歳でボカロとかでメジャーデビューとかあんまいないもんね。

Orangestar:そうですね。メジャーではあったんですけど,当時まだ新しい会社で,お店とかにもあんまり置いてもらえてなくて。だから当日、フラゲ日※1でほぼ完売,発売日にも「全然どこにも売ってないです!」みたいな。2,3週間して再入荷してもらって,そこから売れて,結局オリコンは26位とかでしたね。週間は45位とかで。でもボカロ個人のアルバムがオリコンに入っただけでもよかった。未だに売れてるんですよね。なんだかんだ1万7000枚。

※1 フラゲ=フライングゲットは、ゲームソフト・漫画・音楽CD・パソコン用パーツなどの商品をメーカー側の指定する正規の発売日より1日以上早く購入する(ゲットする)行為を指す俗語和製英語の一つである。単にフライング(さらに略してフラゲ)、または早売り、早バレ(早く買う+内容をばらすの略)とも呼ばれる。購入側からではなく販売側から見た場合には、「フライング販売」などと言われる。

「未完成エイトビーツ/クロスフェード」2015年4月(アルバムプロモーション)

M.B:ロングセラーってやつですか。すごいよね,個人のものでね。当時の俺らの集大成だったね。 歌詞の挿絵も。

Orangestar:1曲ずつ描いたもん。なんか途中であげられないんで,ふたりとも満足いくまでいっちゃう。技術面ではまだ中途半端でしようがないところがあるけど,その時点での自分の出せるところまでやらないと投稿したくない。

M.B:妥協したくないんだよね。妥協して出すと後悔する。

Orangestar:もちろん毎回できたわけではないけど。歌い手さんとコラボするときとかは特に。基本的に全部自分でやるやつには時間の制限がないけどね。だから1stアルバムを作り終えたあと,仕事の曲とか何曲か書き始めて,そこからの1年半くらい,僕の中でちょっと迷走期に入った。いろいろ考えるようになって。

M.B:仕事が向いてないって?

Orangestar:結論から言うと,仕事で書くのは向いてないなって。

全部自分主催,僕ら主体で作りたいものを作るのが向いているなって。で,しばらく迷走して、高校を卒業してセカンドアルバムを作りはじめたくらいからまた楽しくなってきましたね。

Session 6 『M.B の苦悩につづく』

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